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MIHO MUSEUM☆クラップ散歩

先日、こちらの美術館へ足を運んできました。
前々からトンネル越しの写真で人気な美術館。
ほかにもたくさん見どころが詰まっていたのでクラップ散歩にてご紹介!

信楽の自然豊かな山中に佇むMIHO MUSEUM。
環境を保護するため全体の約80%が地中に埋設され、山に溶け込んでその全容を見せることはありません。
設計はルーブル美術館ガラスのピラミッドに携われた中国系アメリカ人のI.M.ペイさん。

中国の詩人、陶淵明の『桃花源記』に描かれた理想郷である桃源郷をモチーフにした構想から、
受付エリアから奥の見えない道に進むと、春にはしだれ桜の並木道に導かれて、
トンネルと吊り橋を越えて美術館に至るというアプローチ。

地形を利用したトンネルという構造。
曲線を用いて終わりが見えないトンネルは
奥にはどんな景色があるのだろうというワクワク感に誘い込まれます。

奥へ歩き進むと、谷に架かる橋の向こう側に入母屋型の屋根をしたエントランスが。

ペイさんの建築はワシントン・ナショナルギャラリー東館(アメリカ)
中国銀行(香港)などのように彫刻的でシンボリックなものが多いのですが、
今回は建物はほぼ地中。館内がとても楽しみです。

落ち着いた佇まいの入口に足を踏み入れると、
ガラスの屋根から降り注ぐ光と優しいベージュ色のライムストーンの壁面に包み込まれ、
彼方まで穏やかな山々が連なる大空間が広がります。


まるで写真の切り抜きを見ているよう。

屋根全体の構造体であるスペースフレームは、最もシンプルな形である三角形を
幾何学的に組み合わせ構成され、そこから生まれる大空間は構造美の一言。
日常ではよく隠される構造部分を、美しい作品に・・・
エントランスだけでも何時間でも居れそうな落ち着いた空気感。

MIHO MUSEUM の展示室や廊下は、亀の甲羅のような六角形がたくさん。
エントランスの吹き抜けを見上げていると、大小長短様々な六角形が。

建物の構造というよりは、芸術作品の展示を見ているような気持ち。

あいにく私が行った日は雨模様だったのですが、
それでもみずみずしい木々を感じることができました。
晴れている日は建物の躯体部分が影となって
床に映る影模様もあらわれ、より楽しめるそうです。(友人談)

「幾何学の魔術師」と呼ばれているペイさんならではの天井の組み合わせ。

展示室を出ると、大自然とスカイライトに溢れていて、
窓が使われている面積が非常に多いため、自然の中に佇んでいるかの錯覚。

「自然の中に同化した建物のすがたが、非常に意識的に
デザインした結果だということをわかってもらえると信じている」
とペイさんが語っているとおり、建築、自然、空間をはじめ、さなざまな美に触れれそうな設計。

またそれぞれの展示室に、ペイさんのこだわりポイントや展示室のコンセプト等の案内が
出入口に設置されており館内を回りながらその場で空間の意味を知ることができました。

個人的に行った美術館の中でこのように設計の話をかいつまめる所がなかったので
設計士の方へのリスペクトがすごく感じれた美術館でした!

「私は確信しているのです。光こそが建築にとってその成否の鍵を握っていると」
と述べていらっしゃったとおり、天気が悪いのに美術館内はほぼ自然光が占めていました。

館内では、建築風景などのビデオも放送されているのでお立ち寄りの際は是非ご覧ください!

新築やリフォームを、ジャンルや工法に縛られず幅広く手掛けています。
お気軽にお問い合わせください。

受付時間
9:00〜18:00(土日祝を除く)