スタッフブログ

鹿猿狐ビルヂング

皆さんこんにちは!

だんだんと暑さを感じる季節になってきましたね・・・

本日のクラップ散歩、奈良へ進出!!
と言いつつも、実はスタッフの一人が奈良県民のため地元散策なのです・・・

奈良の観光名所、猿沢池の近くに何やら新しい建物ができた!
とうわさを聞き駆けつけました!!

「鹿猿狐ビルヂング」についてマイペースにお話ししたいと思います!!

創業の地に満を持して構える旗艦店「中川政七商店 奈良本店」をはじめ、
関西初出店となる飲食店「㐂つね」や「猿田彦珈琲」などが入った施設。

それぞれの頭文字をとって「鹿猿狐ビルヂング」と名付けられたそうです。

なんと!!暖簾もついて小路をイメージしたであろうファザード。
奥に何があるのか気になって入ってしまいますね。

そして柱以外はほどんど窓という、ならまちに存在するとは感じれない空間!

しかも新館の設計者が内藤廣さん。

三重の海の博物館や東京メトロ銀座線渋谷駅などの設計をされている巨匠中の巨匠。
京都でもとらやの店舗を設計されたりしています。
流行を追わず、時に耐えうるものをつくる建築家と称されている方でもあります!

外観を見てみると新しい建物なのに屋根をわざと瓦葺きを使用していたり・・・
(写真ではちょうど見えない!悔しい!)
さらに軒庇を細かく分節化して、店舗正面を街並みと違和感がないようにできていたり・・・

鉄骨造なのに、木造の多いならまちで近くに来るまで建物に全然気づけなかったなあ

長い通路を超えると中庭があり、中庭を介して様々な建物に移動できそうです。


【画像引用:中川政七商店】

外観を語っておきながら恐縮ですが、正面の道が狭くて外観の全体写真が撮影できませんでした。汗
中川政七商店さんの公式サイトより引用させていただいております・・・

今回こちらを設計される際に、こうおっしゃっていたそうです。
「街並・伝統・現代・近未来を建築として表現する」

その言葉の通り、今後も歴史を含めて建物を支えていけるように、
100年後もフリーに建物を使用できるように鉄骨造にされたそう。
「近未来」を見据えた構造、
木造で作ってしまうと柱や壁が必要になり、邪魔をしてしまうからですよね。

まさに「時に耐えうるものをつくる」がかなえられているな、と。

さらに公式HPによると、
三階建て鉄骨造にもかかわらず現代の最新技術と、
柱間の寸法を伝統的な建物で使われる3.6mを用いて柱を細かく使用したことで、
内部の空間も周りの木造の建物の空間に似た雰囲気になるように意識されたとのこと。
「街並みに合わせた瓦屋根と現代技術を駆使した繊細な鉄骨造」これらを目標にされたとか・・・

様々な新事業に着手している中川正七商店の初の複合施設の進出に合わせて、
内藤廣さんも新しい技術をたくさん取り入れる、という意識があったそう。

気を取り直して、早速新館の中へ・・・

そして開放感ばっちりの階段が!
アイアンを強調しつつも木のデザインがお店のアクセントになっていますね!

大きさの違う二重手すりがより印象付けを行っているように感じます。

アイアンと木材ってどうしてこんなにコントラストがきれいでおさまりが良いのでしょうか。
はあ。好きの一言。

そして上がってびっくり、圧倒的に広く感じる・・・!

窓が大きく使用されているからという理由はもちろんのこと、
なぜだろうとくるくる回ると、なるほど商品棚より高い位置に窓がありました。

暗くなりがちな商品棚の背後から日の光が入っているから開放感がより感じれたのですね~納得。

隅には、小休憩スペースも。

座ってみるとまたまたびっくり、足元に電光掲示板~

全体的な景観は損なわずに、ここに座った方にだけ与える情報・・・ちょっと得した気分。
視線の誘導性を思わず感じてしまいます。

余談ですが、ソーシャルディスタンスは鹿の置物で表現されてました。
遊び心満載ですよね、思わずくすりとわらってしまいました(笑)

中庭に戻り、次は蔵の改装ゾーンへ。

表からは全く見えなかったこの建物、
ひっそりとたたずみ奥までいかないと体験できないこの空間はより特別なものに感じます。

手前では、鉄骨造で作られた「今」の中川正七商店を感じれて
中庭を通じて奥に来ると、中川正七商店の「歴史や軌跡」を感じれるようになっているんですね。

予約すれば工芸体験をして伝統に触れ合える「布蔵」、
今回は中川正七商店のの歴史がアーカイブされている「時蔵」の見学だけさせていただきました。

歴史館として継承するのではなく、布蔵では
未来(子供たちに)も受け継げるようにワークショップも行っているようです。

布蔵
時蔵

正面の棚はなんだ!!!!

お話を伺うと、なんと各年代の商品や作品物を年代の引き出しに入れているとか。
さらに桐箱を使用されていて防虫への意識もばっちり・・・

桐箱の正面にある4桁の数字は西暦のようです。
西暦でもはるか未来の数字がありますね、未来を見据えたデザインがここでも感じれます。
・・・壁一面が収納とは思えないデザインの洗礼っぷりに感服。

2Fに上がると大きな棟や柱が丸見え!!!

あえて柱を隠さず、こういった柱をみえるようにすることで今まで建物の歴史を感じつつも
照明や展示品で現代感を出しているためこもった感がなく、天井までの空間が広く感じれます。

またまた中庭を抜けて、、、中川政七商店へ(旧 遊中川 本店)!

またもや開放感!木材の存在感!こんな丸見えの二階のスタッフスペース(おそらく)への階段!
(あれ?手すりはどこだ・・・)

建物自体も約130年の歴史を持ち、木造特有の柱がちらほら。
よく見るとカウンターに不自然に柱が・・・おそらく建物の構造で重要な柱なんだろうなあ、、
今もこの柱たちでこの建物を支えていると思うと感慨深い。傷や汚れも勲章にように感じます。

以前からこちらの店舗はあり、ファザードが格子状で素敵な建物でした。
何となく入りずらい雰囲気が前はありましたが、
中庭からも気軽に入店できて、店内も人の流れが多くなったような気がします。
「多くの人に中村正七商店に触れてもらう」という目的のためでもありそうです・・・

そして遊び心満載・・・と思ったのが店内に謎の「電話スペース」。

恐る恐る開けてみると、なんと試着室でした!
当時の雰囲気そのままに、再度使用する試着室の入り口・・・歴史部分をここでも残すとは・・・

レジカウンターも格子と暗めの間接照明・・・男前すぎませんか・・・

古い!だけではないきれいさが相まって落ち着く・・・の印象が強かったです。
そんな雰囲気を味わいながら地域と企業の歴史に触れ合えるなんて、融合が素敵すぎます。

中川正七商店の歴史を「建物」で感じることのできる場所。
過去からこれからの未来を見据えたこの施設。
ただのおしゃれ名所ではなく、今までの奈良のイメージを刷新する中川正七商店、
そんなお店の核であることがひしひしと伝わってきた気がします。

お客様の想いをきちんと表現されている建築物との出会いはとても勉強になります。

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余談ですが、社内スタッフにこの建築物の話をしたところ
内藤廣さんの建築の共通点が発覚!!!!

左側は今回の鹿猿狐ビルヂング、右側が富山県にある富山県立美術館の階段。
アイアンを強調し、影の薄いデザイン・・・設計士の方の個性がこんなところに。

ぜひ富山県にも足を運んでみたいものです♪

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