お店訪問インタビューvol.2 京菜味のむら さま
京都伏見の銘水で作られた料理のコンセプトは「京都」「野菜」「健康」。和モダンでナチュラルなお店で、健康的なおばんざい料理を楽しむことができます。実はこちらのお店、一般的なおばんざい屋さんとはちょっと違うんです。それはその仕組みにあります。
店内に入ると2つのショーケースが目に入ります。(毎日15種類近くの京おばんざいの日替わり小鉢が並べられています。ここから、食べたいもの朝食で4鉢、ランチで6鉢選んで注文するというスタイル。バイキング形式とは違い、お店の方がケースの中から取り出す形なんです。温冷の各ショーケースは温度と湿度の管理がされているので、作り置きの室温おばんざいとは違い、冷たいものは冷たく、暖かいものは暖かく食することができるのです。時間が経って乾燥していたり、大皿の中の最後のひと欠片だったりということもありません。
注文時には、まず白米か雑穀米か湯葉丼を選択してから小鉢を選び、トレイにのせてもらって好きな席までセルフで運びます。座る頃にはご飯もの、汁ものが運ばれてくるので、慣れた人なら入店からここまで僅か2分!スムーズな配膳で所要時間が読め、忙しい朝にもピッタリ。朝7時から営業されるのは、バランスの良い和朝食で皆様に健康になって欲しいというお店の願いなのですね。更にセルフのコーヒーがついて朝食550円!石庭を取り巻くカウンター席も10席あり、女性おひとりでも入りやすい雰囲気です。まさに早くて安くて美味しくて栄養バランスのとれた「和のファーストフード」です。おばんざいの美味しさプラス新しい仕組みが話題を呼び、メディアにも多数取り上げられている注目のお店です。
写真は数量限定の雅御膳。女性に好評でよく出ているようです。
今日は開店に向けて計画された当時の思い出やご感想などお聞かせ頂ければと思います。ノムラフーズ代表取締役の長嶋さま、宜しくお願い致します。
―現在メディアにもよく出られている「京菜味のむら」さまですが、どのような経緯でお店を構えるようになったのですか?
京都市内でお店を構えることで、エンドユーザー様のご意見を頂戴し、新たなブランドイメージの構築と販促強化を行いたかった。
弊社は京都伏見で長年お惣菜やおせちを製造しており、もともと多くの旅館、ホテル、百貨店さまとも取引がございます。また、年末受付けのおせち料理にも力を入れているのですが、以前よりエンドユーザー様の料理に対する声を直接お聞きしたいという希望がございました。そこで、京都市内中心部に直営としてのお店を構えることで直接お客様の声を聞き、「ブランドイメージの構築」と「その販促強化」にも活用できるのではと期待しています。開店当初は知名度も低かったので苦戦しましたが、1年が経った頃からは、店舗・おせちの売上共に順調です。
当初、こういったスタイルのお店がどう捉えられるかが心配でしたが、まずはご近所の方々から始まり、徐々にリピーターやグループ客のご利用が増えていきました。テレビなどのメディアで知名度が上がるとSNSのクチコミで更に広がり、国内外の観光客の方の利用も増えて来ています。お客様のご要望に応える形で営業時間を年中無休・夜まで延長してきました。
お客様はヘルシーな和食なので基本的に女性が多いです。最近ではアイドルの方がTwitterで紹介され、ファンの方が多くご来店いただくという現象もございました。またテレビや雑誌に取り上げていただくこともあり、来店に弾みがついています。
―狙い通りの結果を出しておられるということで、素晴らしいと思います。計画の実施において、クラップを選ばれたきっかけなどはありますか?
ホームページを見て、連絡。決め手は、設計と施工が同一会社だったこと
開業は6月と決まっていたのですが、最初に問合せしたのが前年の10月頃でしたね。クラップさんのホームページを見て、インスピレーションでご連絡しました。同じようにホームページの検索で、3社ほど訪問したんですが、設計と施工を一括してお願いできる会社だったことが大きな決め手になりました。そのほうが細かいところまで目が届きやすいですからね。ただ、社内だと甘くなるという側面もあると思ったんですが、実績を実際に見せていただいてその不安はなくなりました。色々なタイプのお店を手掛けておられたので経験豊富だと感じたことと、明るいイメージが良かったです。
―ありがとうございます。クラップを実際に選ばれていかがでしたか?
社員の皆さん全員そうなんですが、クラップさんは相談しやすいですね。
まずは、菊川社長の相談しやすいお人柄が良かったです。出店する場所も決まってなかったんですが、相談したらすぐに不動産物件を山ほど見せてくださって、、、社員の皆さん全員そうなんですが、クラップさんは相談しやすいですよ。私どもは資金計画面の相談は不要でしたが、そちらもお得意だと聞いております。クラップさんの事務所のあるビルの1階には店舗に特化されている不動産会社があり、密に連携されているので、全てを一気に解決できるというのも助かりました。
―設計について、出されたご要望などありましたか?
清潔感や京都らしさといったイメージをお願いしました。
企業ブランドの向上といった広報的役割も大きなお店ですので、清潔感や京都らしさといったイメージをお願いしました。私どもは外食産業についてはまったくの素人で、難題だったのではないかと思います。
具体的な要望では客席数やトイレの数ですね。1人でも入りやすいようにとカウンター席を設置し、その目線の先に坪庭を作っていただいたりしました。食べながら庭を見ていると、落ち着くのではないかと思います。お一人で来店される方も多いですよ。私も実際に坪庭を整えながら、次はこうしてみようとか色々考えたりして…凛とした気持ちになりますね。作ってもらってよかったです。
―施工時のトラブルなどはありましたか?
一番の壁はスケジュール
まずは、スケジュールですね。その年の6月オープンは決まっていてそこは絶対ずらせなかったのですが、1月時点ではまだ物件が決まっていませんでしたから。最終的には、2月頃に新築マンションの1階であるこの店舗をご紹介いただきました。また、高齢者の方を意識してなるべく段差のない店舗にしようと思っていたのですが、テナントの受け渡しで現地を確認したら入り口から床が30センチほども下がっていたんですね。階段で下げるか床を上げるか迷いましたが、セメントを流し込んで上げてもらいました。すべてが順調というわけではありませんでしたが、修正案に対し迅速な対応をいただき、工期は変えずに調整いただきました。また入口近くに大きな柱があったことも想定外でしたが、最終的には違和感なく内装していただいて、そこも良かったです。計画段階では共に提供料理の試食を行ったり、他店へ調査を行ったりしながらイメージを固めわかりやすいパースをご提案いただきました。予算の範囲も伝えていたので、考慮したしつらえの提案、値引きを受けやすい厨房機器などの紹介もありました。特にショーケースからおばんざいを選んでもらい、スタッフがお盆にのせるというスタイルがすぐに決まらなかったので、オペレーションも相談に乗っていただきつつ進めました。
―クラップを選んで良かったと思われる点はありますか?
現場監督がクラップさんの社員で、きめ細かいサービスをしてくれた点
一番は、現場監督がクラップさんの社員だったという点でしょうか。また、店舗がクラップさんの事務所から近いこともあって設計担当者の方も1日に何度も来てくれたり、ギリギリまで微調整に応じていただけたりしました。地元密着型のクラップさんならではのサービスだったと思います。
「京都らしさ」の要望に対しては「京唐紙(からかみ)」をご提案していただいたのも良かったですね。唐紙は奈良時代から伝わる細工紙だそうで、これを職人さんに作っていただき店舗の正面の窓から見える壁に貼りました。窓から光が差すとこの唐紙がきれいに光って、お店の中で特に自慢の場所なんです。
また、社員の方々には開店後にも実際によくご利用いただき消費者目線でのご意見をいただき励まされています。引き続き、他店での成功事例などお聞かせいただければと思います。
ノムラフーズ 代表取締役 長嶋さま
―気に入っていただけて嬉しいです。よろしければ、今後の展開計画などあれば教えていただけますか?
京都の素晴らしさを伝えるプロデューサーは「よそもん」の方がいい
現在の店舗は食材提供をしている弊社ならではの運営であり、他では難しいのではないかと思っています。この利点を活かし複数店の展開や当店名物となっている「湯葉丼」専門店など構想しています。実は私は東京の人間なのですが、京都の素晴らしさを伝えるプロデューサーは「よそもん」の方がいいと思っているんですよ。京都の方は、京都の良さを当たり前だと思っていらっしゃる。でも、他から来た者や観光客は当たり前ではないですからね。
祇園祭のときには、当店の真ん前に弁慶橋山が立ちます。町内会ともお付き合いができ、今年は祇園祭にも参加しました。祇園祭のときにも、ぜひたくさんの方にご来店いただきたいですね。
―客観的視点から見た「京都らしさ」を生かしつつ、企業の強みを生かした「店舗の仕組み」で結果を出しておられるお話を伺い、大変勉強になりました。長嶋さまや店長さまの着眼やお人柄で、多くのファンを生み出している「京菜味のむら」さま。このたびはお忙しいところお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
京菜味のむら
京都府京都市中京区蛸薬師通烏丸西入橋弁慶町224
7:00~20:00(L.O)年中無休 075-257-7647
http://www.nomurafoods.jp/