【クラップ散歩】牧野富太郎記念館/内藤廣
去年の連続テレビ小説「らんまん」は高知県出身の植物学者・牧野富太郎がモデルで、
神木隆之介さん・浜辺美波さんらが出演していました。
牧野富太郎を記念して設置された高知県立牧野植物園には多くの人が訪れていて、
ドラマに登場した植物「バイカオウレン」が人気だそうです。
顔を近づけないとよく見えないくらい小さな花、実際に見てみたいですね!
実は、高知県出身の私にとって牧野植物園は遠足の定番スポットであり、何度も足を運んだ場所です。
高知を離れて建築を学ぶようになり、建築家の内藤廣さんが牧野植物園の中に建つ「牧野富太郎記念館」を設計されていたことを知りました。
今回は、そんな「牧野富太郎記念館」についてご紹介します。
牧野富太郎記念館
所在地:高知県高知市五台山4200-6
竣工:1999年
設計:内藤廣
まずはお気に入りの場所をご紹介。
山を背景に、水盤が空を映し、庭の景色が屋根と床の水平面で窓のように切り取られています。
思わずシャッターを切りたくなる美しい眺めです。
建物内部の階段。
細いアイアンと木の笠木、コンクリート。別々の素材ですがそれぞれの味が出ていて非常に美しいです!
▽こちらは同じく内藤廣さん設計の「紀尾井清堂」の手摺。
素材は似ていますが、アイアンが2本で間に木を挟んでいます。
同じ建築家の作品で共通点や違いを探してみるのも面白いですね!
手摺繋がりでお話をすると、植物園の池にこんな通路がありました。
とても細く、周囲の景色に溶け込んでいますね。落ちないように気を付けて歩きました、、
軒が深く、薄暗くなっているところに木漏れ日が差し込んでいました。
人工的な固いコンクリートと柔らかな木漏れ日のコントラストが美しいですね。
大きな屋根が建物全体にかかっていることで、周囲の環境が建築に取り込まれており、外部と内部が曖昧な空間になっています。
「自然との共存」が建築によって目に見える形で表現されているように感じられました。
年月の経過とともに周囲の植物は成長し、建物は森に包まれていきます。建築と自然がさらに融合していく空間、とても魅力的ですね。
再び訪れたいと思います!