「なら100年会館」磯崎新
なら100年会館/奈良さんぽ
皆さんこんにちは!三月に突入しましたね!!
本日は訪れた建築物をシェアいたします!お久しぶりの奈良の建築物紹介!

なら100年会館/磯崎新
こちらの建築、惜しくも最近亡くなられた磯崎新さんの設計です。
・所在地 奈良市三条宮前町7番1号
・竣工 1999年
・構造 RC造、SRC造、S造
「奈良の文化を育て、世界に発信するまさに“文化の船”」をコンセプトに、「新しい奈良」のランドマーク、文化発信の拠点としているそう。
確かにそのコンセプトを知ると、黒い楕円形の外観が船に見えてくるような、、、
美しいカーブ状の造形の中に黒茶けたタイル状で覆われた姿が、ただの四角い建物と違って一角に異なる雰囲気をもたらしていました。
この写真だけ見ると奈良にある建物に見えないですね、異国感漂う雰囲気です。

この建築物、建設において特徴的な建て方をしているのです。
それも「パンタドーム構法」
側壁と屋根を同時に組み立て持ち上げる構法のことを指します。詳しく紹介すると、建物の骨格が上下二つに分割され両者が折り畳まれた状態で地上において組み立てられた後、ジャッキで完成形状まで押し上げ骨格部分を完成させる方法のことを言います。
また、高所での作業ではなく地上レベルに近い高さで行うことで作業の安全性を高め、工期短縮が図れるメリットがあります。
コンクリート補強剛板の外壁と屋根とを同時に施工したのは世界で初めてだったそうです。
公式HPにて写真を拝見しましたが、花が咲いているような形からだんだんと形成されていました。
さてさて、館内の写真をシェア。

メインエントランスのガラスは透明度が高いものが使用されており、外との空間のつながりも感じました。
が、中に進んだ天井は汚れが目立ちずらくしいるのか乳白色の素材が使用されており、採光が確保がメインなのかなと思ったり、、、
晴れた日には様々なところから入ってくる環境光が躯体によって陰影を創り出していて採光性が良い印象でした。
合わせて傾斜が使用されているため、閉塞感や圧迫感を感じることなく開放感あふれる空間づくりがされていました。

建物の中に外壁のような瓦調のタイルが使用され、経年劣化を感じさせないような工夫のようにも思えます。

壁面に重い色を使用しているにも関わらずこんなにも明るい印象を感じるのは光のおかげなのでしょうか、、

磯崎新さんはポストモダン建築の先駆者であり地域に合わせた建築物を設計されている印象が強いです。装飾的でありながらも、合理性がある設計をされています。
世界各地、日本各地に建築物があるのでいつか海外の建築物も見に行ってみたいものです。
次回もお楽しみに!